今回は、世界文化遺産石見銀山の紹介をします。
石見銀山は島根県大田市にあり最盛期には世界トップクラスの銀の生産量を誇った鉱山でした。「銀山を制す者は中国地方を制す」と言われ戦国時代には激しい争奪戦も展開されました。1,600年関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康は、いち早く幕府直轄領とし産出された銀は、日本経済は勿論、世界経済に大きな影響を与えました。又ここで初めて使われた製錬技術は日本各地の鉱山に伝わり鉱山王国日本の実現に大きな役割を果たしました。大田市大森町には鉱石を採掘した坑道(間歩)や製錬所跡等の鉱山遺跡と代官所、武家屋敷、商家跡等の町並みがあり、今でも往時の面影をしのぶことができます。
遺跡だけではなく幕府から派遣された代官(井戸平左衛門)に「芋代官」として今も人々に慕われている人がいます。享保の大飢饉のとき幕府の許可無く代官所の米蔵を開き人々に与え、さらに薩摩から芋苗を入手し栽培に成功しました。そのお陰で、この地方では餓死者が出なかったと言われています。当人は幕府の掟を破った罪で江戸送りとなりますが、途中岡山県笠岡市で亡くなりました。この地方の人々は碑(最近の調査では500基以上)を建立し、その遺徳を偲んでいます。
紙面上、これ以上ご紹介できないのが残念ですが、大田市には、この他にも国立公園三瓶山、天然記念物縄文杉の埋没林、世界一の砂時計、温泉津温泉等があります。
皆さん!是非一度。